トピックス
廃棄飲料管理を一手に リバース・マネジメントセンター開設 <食品化学新聞>
総合リサイクル事業者の大栄サービス(兵庫県西宮市、赤澤健一社長)は、リサイクル業界では国内初の廃棄飲料専用管理・保管施設「リバース・マネジメントセンター(RMC)」を先月西宮市内に開設した。販売から廃棄に転じた飲料系商品の運搬・保管・処理までの一貫したマネジメントサービスを行っていく。
従来、廃棄物処理施設においては保管スペースなどの問題から、大量の廃棄物の一括回収は困難だった。また、メーカーや物流センターでは、廃棄商品の在庫が倉庫スペースを圧迫し、商品の流通や販売活動の妨げとなっていた。同社はこうした問題に対し、RMCを設立することで回収・リサイクルの効率化、倉庫の回転率アップなどのメリットを提供していくもの。
RMCの保管面積は195平方メートル、容量は585立方メートルで、2Lペットボトルでは約30万本、缶コーヒーでは約300万缶が保管可能な規模を誇る。施設には環境対策として脱臭装置を備えると同時に、飲料メーカーの会社名やブランド名の入った商品の流出防止のための24時間セキュリティも完備した。RMCに集約された廃棄飲料は、リサイクルの前処理として梱包資材の段ボール類と商品とに分けられ、商品は破砕処理施設で中身と容器(缶、ビン、パック、ペットボトルなど)に分離。その後、破砕された容器は品目別にリサイクルされ、中身は同社の乾燥施設で有機性廃棄物100%の「バイオソリッド燃料」に加工され、各種工場のボイラー燃料として再利用される仕組み。同社では、こうした一連の工程を一箇所に集約したことで、前処理を効率的に行えるほか、飲料業界における返品プロセスのサプライチェーンの効率化にも貢献できるとしている。