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廃棄飲料からバイオマス燃料 大栄サービス 業界初の試み<産経新聞>

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 総合リサイクル業の大栄サービス(兵庫県西宮市)は、賞味期限切れなどによって廃棄される清涼飲料水を専用に保管、処理し、バイオマス燃料に加工するまでの一貫した機能を備えた施設「リバース・マネジメントセンター」を西宮市内に完成、稼働させた。廃棄飲料を専門に保管、処理するのはリサイクル業界では初の試みという。

 センターは敷地面積約3500平方メートル。保管施設の面積は195平方メートル。保管容量は585立方メートルで、2Lペットボトルだと約30万本、缶コーヒーだと約300万本保管できる。設置費用は約9000万円。
 施設は周辺への環境対策として、脱臭装置を備えるとともに、飲料メーカーの会社名やブランドが入った商品の流出を防ぐため、24時間のセキュリティー体制を構築している。
 同社は飲料メーカーから処理費用をもらって、廃棄飲料を運搬、保管、処理する。廃棄飲料をセンターに集約することで、リサイクルのための前処理を効率的にできる。

 センターでは、前処理として、まず、段ボールなどの梱包資材と廃棄飲料とに選別。廃棄飲料は破砕処理設備にかけられ、中身の液体と容器(缶、ビン、ペットボトルなど)とに分離される。
 その後、破砕された容器は品目別にリサイクルされ、液体は乾燥設備によって、固形状のバイオマス燃料に加工される。同燃料は廃棄物100%の燃料として、ボイラー燃料として利用される。
 センターがフル稼働すると、1日あたり約100トンの廃棄飲料を処理し、約20トンのバイオマス燃料を生産できる。同社では、いずれこの燃料を販売することも検討している。

 飲料メーカーにとっては、廃棄飲料が物流センターや倉庫のスペースをとるほど、流通経費がかかっており、処理を委託すれば、倉庫の回転率を向上できるメリットもある。
 同社は廃棄飲料の運搬から最終的な燃料加工まで、一貫したサービスを提供することで、メーカーの不良在庫削減とリサイクルの“一石二鳥”の効果をねらっている。

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