リヴァックスコラム

第32回 重要通知「許可事務通知」で復習 その1

長岡 文明氏

みなさん、こんにちは。
しばらく、再資源高度化法について見てきましたが、
今回からはどういう話ですか?

はい、何にしようかといろいろ考えて、今までどんなことをこのコラムで取り上げたかなぁとバックナンバーを調べてみたら、なんと、今年は10周年なんですね。

へぇ!そうなんですか。わたしはまた社会人3年目なんだけど、それよりずっと前からBUNさんはリヴァックスコラムを書いてるんですね。

で、今度は何をテーマにすることにしたんですか?

温故知新。故きを温ねて新しきを知る。

コラムを始めた時に最初にテーマにしたのが「重要通知」。これはその後尾上先生との共著で単行本になっているんで、是非一回は読んでね。それで、さっきも言ったようにそれから早10年が経って、それ以降も重要な通知は出ている。通知が発出された時にも適宜取り上げてはきているけど、ここらでここ10年間の「重要通知」を復習してみようかと思うんですよ。

いいですね!わたしが仕事について以降の通知はその度に目を通してはいるけど、それ以前の通知は深く読んでいないし、BUNさん独自のうんちく付きで解説してみてください。

では、皆さんから質問が寄せられたときは、適宜、そちらも取り上げることとし、まずは、次の通知を見ていきましょう。ただ、この通知は長いので区切っていきますよ。

令和2年の3月末に発出されたんですね。まだ、新しい。
廃棄物処理法の歴史から言えば「つい最近」ですね。

はい、具体的にこの通知が発出されたのは令和2年なのですが、この通知はこの業界では通称「許可事務通知」と呼ばれているもので、大きな法令改正や許可に関する取り扱いが改正される度に出し直しされている通知です。

ですので、実務上重要な事項については、この通知を読めば大抵のことはわかります。

へぇぇ、便利な通知なんだねぇ。早速読んでみようかな。どれどれ。

えぇー\(◎o◎)/!こんなに分厚いの?

さっき、「大抵のことはわかる」って言ったでしょ。
廃棄物処理法の「大抵のこと」をわかるためには、これ位は必要かな。
令和2年通知ではA4版で30頁はあるかな。

大変そうだけど始めなければ終わりは来ないんだから取り掛かりましょう。

えっと、さっきの部分で判ることは、「産廃の処理業許可と処理施設の設置許可」について通知したものだってことですね。一般廃棄物については触れていないの?

いいところに気がついたね。このコラムでも何回か取り上げたけど、産業廃棄物については都道府県の法定受託事務。一方、一般廃棄物については市町村の自治事務ということが関係しているんだ。

そうでした。たしか、産業廃棄物に関しては本来、国の業務なんだけど、それを法律で都道府県に委託している。だから、最終権限は国にある。
一方、一般廃棄物については、元々、本来、市町村の業務。国や県は「よそ様の仕事」だから、基本的には口出しできないってルールだったかな。

法律を専門に勉強している人達から言わせると「厳密性に欠ける」表現かもしれないけど、一般人にはそういう理解でいいと思うよ。

じゃあ、一般廃棄物について、いろんな疑問が出たときとか、全国共通で「こうやりましょう」なんて時はどうすればいいの?

BUNさんが思うに、現在の廃棄物処理法の最大の弱点が「そこ」だね。
「地方自治」「地方分権」は望まれる姿ではあると思うけど、一般廃棄物については、全国約1700の市町村に権限があるために、疑義が生じたときには、なかなか、全国統一的な見解が出せない。
そのため、一般廃棄物について市町村毎に運用が微妙に違うってことも出てしまうんだ。

市町村にとっては自分勝手に出来るわけだから、やりやすい面もあるかもしれないけど、万一、裁判になったり、不服審査が出された時に理屈が立たない運用では困るでしょう?

そうだねぇ。大抵の市町村が独自の見解、運用なんて無理なこと。それで、「隣の市役所ではどんな運用しているのかな?」「全国的にはどうなんだろう?」となる。そうなると参考になるのが国から通知が出ている「産業廃棄物の運用」となるんだね。だから、一般廃棄物についても、この「許可事務通知」は参考になる要素が満載なんだよ。

へぇ!じゃあ、多くの事柄について「一般廃棄物も同じような運用」と捉えていい訳ね。

もし、一般廃棄物特有の運用になっているような事項だったらその都度お伝えするようにしましょうかねぇ。では、本論に戻って「許可事務通知」の「第一」から見ていこう。

冒頭から重要な事項だよ。リヴさんは「事業の範囲」って覚えているかな。

たしか、「許可の内容」と言うか、許可を取ったらどんなことができるか?
っていうことでしたよね。

出典:北海道庁HP

そう。許可証のこの部分だね。「許可」の「肝(キモ)」と言っていい箇所だね。
と、折角本論に入ったところだけど、まだまだ長くなりそうなので、今回はここで一旦区切りとしましょうかね。

じゃ、ここまで「今回のまとめ」しておくわね。

  1. 廃棄物処理法の重要な通知の一つに「許可事務通知」というのがある。
  2. 「許可事務通知」は「業許可」「施設設置許可」について述べたもの。
  3. 産業廃棄物についての通知であるが、一般廃棄物の運用でも参考になる。