リヴァックスコラム

第1回 プラ資源循環法

長岡 文明氏

今月から始まります「BUNさんに聞いてみよう」のコーナーです。

皆さんが、日ごろから感じています廃棄物処理法に関する疑問、質問等を、リヴァックスの担当の「リヴ」がBUNさんと対話しながら深掘りしていきます。
皆さんからの質問を全部取り上げられる訳ではありませんが、なにかありましたら是非当サイトの「お問い合わせ」よりぜひご連絡ください。

今回は、初回なのでこの4月から施行されますプラ新法について聞いていきたいと思います。




BUN先生、初めまして、私、リヴァックス社のリヴと申します。

早速ですが、このプラ新法ってどういう法律なんでしょうか。

はい、よろしくお願いいたします。

プラ新法、正式には「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」って言うんだけど、長いので「プラ新法」とか「プラスチック資源循環法」とか呼ばれています。
でも、4月からは新しくも無くなると思いますからここでは「プラ資源循環法」とでも呼ぶことにしましょうか。

はい、それでその「プラ資源循環法」はどんな法律なんですか?

環境省の説明資料によると、
「製品の設計からプラスチック廃棄物の処理までに関わるあらゆる主体におけるプラスチック資源循環等の取組を促進するための措置を講じます。」って書いてるね。

「設計から処理まで」、「あらゆる主体」と言われても、これでは「ゆりかごから墓場まで」「安全安心に」みたいで、あまりに大風呂敷過ぎて、なにがなにやら、わからないですね。

もうちょっと具体的に説明してくれますか。

そうですね。ちょっと物の誕生から最終処分までのイメージを図にしてみました。

物は設計され、製造され、運ばれて、販売店で消費者に渡される。

消費者はそれを消費し、不要になった物を廃棄する。廃棄された物は再生され再び原料となり社会に戻っていくものと、焼却や埋立地で処分されるものになる。

まぁ、だいたいこんな流れかな。

今回のプラ資源循環法は、このいろんな時点で関わってくるってことですか?

もちろん、プラスチック類に関してってことだけどね。




まだ掴みきれませんが、とりあえず最初の「物」が誕生するところからお願いします。

プラスチック製品を製造するときに、闇雲に製品を作るって人は居ないよね。

そりゃ、素人の陶芸教室じゃないんですから、どんな製品でも設計図位は書くでしょう。

そう、まずは、その設計の段階で「環境配慮」してくださいってことが決まっている。

その「環境配慮」というのは?

廃棄物処理では当然の3R。リデュース、リユース、リサイクル。まずはこれが基本かな。

でも、現時点では「環境配慮」についてはこの程度までのようで、これから「環境配慮設計に関する指針」を策定し、指針に適合した製品であることを認定する仕組みを作っていくってことらしいね。

これから新たに設計する製品に関することでしょうから、それでもいいんでしょうかねぇ。

ちなみに、「環境配慮」した製品を製造するとなんかいいことはあるんですか?

この指針に則って製造された製品は「認定製品」ということになって、いままでもある制度だけど、グリーン購入法のルートで国が率先して調達するというようにして、製造設備への支援なんかも行うことになりそうだね。

なんか、まだ雲を掴むような話ではありますね。

一言で「プラスチック製品」と言ってもいろんな物があるからねぇ。
いろんなプラスチック製品について、それぞれに「指針」を作るのは大変なことだと思うよ。




次はどうですか?

製造の次は物流と販売だね。これは相当具体的な施策が公表されているよ。

それはどんなことですか?

小売・サービス事業者などのワンウェイプラスチックの提供事業者が取り組むべき基準が政省令で示されているんだ。

「ワンウェイプラスチック」って?

今まで、コンビニでスパゲッティ弁当なんかを買うと、使い捨てのプラ製のフォークやスプーンなんかを付けてくれたでしょ。あぁいった物だね。

その「ワンウェイプラスチック」がどうなるんですか?

大手のコンビニでは既になっているところもあると思うけど・・・・もうコンビニでは「ただ、無料」では提供しなくなるんだ。

えぇー、今までただで付けて貰っていたスプーンやフォークが有料になるんですかぁ。

そうだねぇ。イメージとしてはレジ袋と同じかな。

数年前までは、お買い物をするとお店では、何も聞かずにレジ袋に買った商品を入れてくれた。でも、今はまず「レジ袋要りますか?」と聞くし、「要ります」と言うと一枚3円です、5円ですとなりましたよね。あれと同じかな。

大手のコンビニあたりでは、素材をプラスチックから紙や木製に代えるってところもあるようだけど。

この「ワンウェイプラスチック」としては、前述のスプーン、フォークの他にビジネスホテルで提供していたクシやヒゲそり、クリーニング屋さんが提供していたハンガーなど12品目が規定されているんだ。

へぇー、世の中だんだん変わっていく感じがしてきたわ。

次の「消費」についても聞きたいけど、今回はもう時間が来たようなので、続きは来月にしたいと思います。じゃ、またよろしくお願いいたします。

はい、次回は製造者・販売者自主回収認定制度なんかを取り上げようかな。
じゃ、また。